【音楽理論No.1】理系ならすんなり理解できるスケールとコードの学び方

こんにちは。@ackcvanilla1(Rana_34164)です。

音楽理論を学ぶ上で使いこなす必要がある

  • スケール(メジャースケール、マイナースケール等)
  • コード(トライアド、4和音等)

の2つの概念。これを理系の方であればすんなり理解できるように数学的な記法を用いてまとめました。

オクターブ

周波数(以下,音)を f とする.人間の聴覚は,音 f とその2倍の音 2f があたかも同じような音に聴こえるという性質を持っている.この関係をオクターブという.

平均律

ある音 f_0 を起点としたオクターブの区間 [f_0,~2f_0] について, n+1 個の要素からなるベクトル {\mathbf f}_nに離散化することを考える.ただし,ベクトルの最初の要素は区間の下端である f_0,最後の要素は区間の上端であるf_n=2f_0とし,この2音を必ず含むとする.

[f_0,~2f_0] \to {\mathbf f}_n=\{f_0,~f_1,~f_2,\ldots,~f_{n-1},~f_n=2f_0\}

 離散化の個数 n は任意であるが,特に,n=12 とした場合,すなわち{\mathbf f}_{12}音律という.

{\mathbf f}_{12}=\{f_0,~f_1,\ldots,~f_{11},~f_{12}=2f_0\}

 次に,離散化の方法を考える.区間[f_0,~2f_0]13個の音に離散化する方法は無限に存在するが,特に,次の方法で離散化した音律\overline{{\mathbf f}_{12}}平均律という.

\overline{{\mathbf f}_{12}}=\{\overline{f_0}=f_0,~\overline{f_1},\ldots,~\overline{f_{11}},~\overline{f_{12}}=2f_0\},

\overline{f_i}=\displaystyle 2^{\frac{i}{12}}f_0i=0,1,\ldots,12).

メジャースケール・マイナースケール

平均律 \overline{{\mathbf f}_{12}}=\{\overline{f_0}=f_0,~\overline{f_1},\ldots,~\overline{f_{11}},~\overline{f_{12}}=2f_0\} について,m個の要素から成る部分集合\overline{{\mathbf s}_{m}}を考える.このとき,\overline{{\mathbf s}_{m}}スケールという.

\overline{{\mathbf s}_{m}}=\{\overline{f_{i_1}},~\overline{f_{i_2}},\ldots,~\overline{f_{i_{m-1}}},~\overline{f_{i_m}}\}

特に,m=8として,次式のように要素を選んだ部分集合\overline{{\mathbf t}_{8}}メジャースケールという.

\overline{{\mathbf t}_8}=\{\overline{f_0},~\overline{f_2},~\overline{f_4},~\overline{f_5},~\overline{f_7},~\overline{f_9},~\overline{f_{11}},~\overline{f_{12}}\}

また,次式のように要素を選んだ部分集合\overline{{\mathbf u}_{8}}マイナースケールという.

\overline{{\mathbf u}_8}=\{\overline{f_0},~\overline{f_2},~\overline{f_3},~\overline{f_5},~\overline{f_7},~\overline{f_8},~\overline{f_{10}},~\overline{f_{12}}\}

トライアド・4和音

ある音 f_0 を起点とした区間 [f_0,~\infty) を,n=12の平均律で分割した音列\overline{{\mathbf f}}を考える.

\overline{{\mathbf f}}=\{\overline{f_0}=f_0,~\overline{f_1},~\overline{f_2},~\overline{f_3},\ldots\}

 今,\overline{{\mathbf f}}から任意の3音を取り出した部分集合\{\overline{f_{i_1}},~\overline{f_{i_2}},~\overline{f_{i_3}}\}を考える.このとき,i_2,~i_3について次式を満たす部分集合をトライアドという.また,このとき,\overline{f_{i_1}}根音(ルート)という.

i_2 \in \{i_1+3,~i_1+4\}かつ,

i_3 \in \{i_1+6,~i_1+7,~i_1+8\}

また,\overline{{\mathbf f}}から任意の4音を取り出した部分集合\{\overline{f_{i_1}},~\overline{f_{i_2}},~\overline{f_{i_3}},~\overline{f_{i_4}}\}を考える.このとき,i_2,~i_3,~i_4について次式を満たす部分集合を4和音という.

\{\overline{f_{i_1}},~\overline{f_{i_2}},~\overline{f_{i_3}}\}がトライアドかつ,

i_4 \in \{i_1+10,~i_1+11\}

また,\{\overline{f_{i_1}},~\overline{f_{i_1+3}},~\overline{f_{i_1+6}},~\overline{f_{i_1+9}}\}ディミニッシュセブン(dim7)という.

まとめ

トライアド,4和音,dim7について,部分集合の形で書くのは煩雑なため,以下のような記法で書くこととする.

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